離乳食はにんじんで野菜デビュー!海外でも初めに選ばれるおすすめ食材
離乳食でにんじんを野菜デビューに選ぶママは、日本のみならず世界を見渡しても多いです。離乳食が始まる生後5~6ヶ月の初期は使用できる野菜が限られていますが、その中でもにんじんは年中通して手に入りやすい食材の1つ。
にんじんには赤ちゃんに嬉しい栄養も含まれ、甘みもあって食べやすくて離乳食向き。離乳食を卒業してからもお腹の調子が悪い時に食べさせたい野菜なので、早くから慣らしておきましょう。
こちらでは離乳食で赤ちゃんに食べさせたいにんじんに含まれる栄養、月齢別の調理法やおすすめレシピなどをご紹介していきます。
にんじんに含まれる赤ちゃんに嬉しい2つの栄養素
にんじんは子供の頃に嫌いなのに無理に食べさせられた思い出がある人が多い野菜の代表格。一説によると「日本人の3人に1人がにんじん嫌い」なのだとか。
にんじんには赤ちゃんにとらせてあげたい栄養素が豊富に含まれています。昔のにんじんは青臭さが強かったのですが、今は品種改良が進んでかなり美味しく甘くなりました。
まずはママやパパがにんじんに含まれる栄養やその働きを知ることで、「風邪に負けない元気マンになれるよ!あ~ん!」などと楽しく食育に役立ててください。
1βカロテン|不足するとビタミンAに変わる緑黄色野菜に豊富な栄養素
にんじんには豊富なβカロテンが含まれています。βカロテンとは緑黄色野菜に豊富に含まれる栄養素で、皮膚や粘膜を正常に保つ働きなどを持つビタミンAの前駆体。体内にビタミンAが不足すると変換されます。
そのため離乳食でにんじんなどの緑黄色野菜を日頃から食べ、βカロテンをとることでビタミンA不足を防ぐことができます。
厚生労働省は離乳食期の乳幼児は一日に400㎍RAE/日のビタミンAをとることを推奨しています。ところがビタミンAは過剰摂取への注意も必要で上限は一日に600㎍RAE/日。(注1)
にんじんには10gに720㎍のβカロテンが含まれています。わずかにんじん10gにビタミンAに置き換えたレチノール活性当量73㎍も含まれているので、離乳食で食べられないなんてもったいない。ぜひ離乳食では人参を美味しく調理して人参好きに育ててあげましょう。(注2)
2ペクチン|水溶性の食物繊維
にんじんにはペクチンという水に溶ける水溶性食物繊維が豊富に含まれています。ペクチンといえばりんごなどジャムを固める性質がよく知られていますが、糖と酸が加わるとゼリー状に固まります。
母乳やミルクなど水分が栄養源だった赤ちゃんが離乳食を始めると、腸内環境が変わってお腹の調子が悪くなることがあります。
ペクチンには腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きや、腸内に蠕動運動がおこして腸内の毒を体外に排出する働きがあるので、お腹の調子が悪い赤ちゃんににんじんはおすすめの野菜。
しかもペクチンにはボンドのような働きがあるため、筆者はかかりつけの小児科医から子供がお腹を下した際の離乳食に人参をすりおろしたスープをおすすめされました。
離乳食で生のにんじんや葉はいつから?葉っぱは中期以降で生は3歳
離乳食ではにんじんを初期から食べられ、海外では初めての離乳食ににんじんをあげる人も大勢いますが、にんじんの葉っぱや生の人参スティックなどは、初期だと早すぎます。
にんじんの葉っぱはオレンジ色の根の部分より栄養が豊富ですが、香りが強いので嫌がる赤ちゃんもいます。まずはにんじんの根から風味に慣らし、葉っぱは中期以降に細かく刻んで加熱してから食べさせてください。
また離乳食期の生野菜は基本的に1歳からです。生のにんじんスティックは歯茎だけでは噛めませんので、3歳頃になり奥歯のかみ合わせができるまでは、加熱して柔らかくしてから食べさせてあげましょう。
離乳食のにんじんは炊飯器で調理して冷凍保存するのがおすすめ!
離乳食で毎日食べさせてあげたくなる人参ですが、加熱調理が面倒な人はパパの休みの日など時間があるときに炊飯器でまとめて加熱し、冷凍ストックを作っておくのがおすすめです。
離乳食のにんじんの炊飯器での加熱方法
- 皮をむいて食べられる大きさにカットする
- 少量や数種類の野菜をまとめて加熱する場合は、耐熱容器入れる
- 炊飯器に水と一緒に入れてスイッチオン
ご飯も炊きたい場合は、にんじんを耐熱容器に入れ、米をいつも通りに研いで水を入れた炊飯器の中央に置いてスイッチオンするだけです。
炊飯器で加熱後の人参は、初期ならブレンダーでペースト状にしますが、中期以降はそのまま冷まして製氷皿や離乳食保存容器、冷凍保存袋などに小分けにして冷凍します。
毎日の離乳食作りが楽になりますので、ぜひ炊飯器&冷凍技を使って、栄養満点の楽チン離乳食を作ってあげましょう。
にんじんとりんごのうま煮のレシピ
材料:にんじん5g、りんご5g、水小さじ1
- にんじんとりんごは皮をむき、おろし金ですりおろす
- 耐熱容器に水と1を入れてよく混ぜ合わせる
- ふんわりとラップをかけてレンジで1~2分程度加熱する
離乳食初期のにんじんおすすめレシピ&調理のポイント
生後5~6ヶ月になり、離乳食を開始したばかりの初期。なるべく舌触りの滑らかな状態で食べてもらうのが、たくさん食べてもらえるためのポイントです。
しっかり柔らかくなるまでゆでて、すり鉢でつぶしましょう。にんじんをゆでた煮汁を足して固さを調整したり、ミルクを少量いれて一緒につぶしたりすると食べやすくなりますよ。にんじんのかたまりが残らないようなめらかになるまでつぶしましょう。
こちらでは、離乳食初期から食べられる、幼児になってからも下痢の時に食べさせてあげたい、人参スープのレシピをご紹介します。
にんじんスープのレシピ
材料:にんじん、水
- にんじんは皮を剥いていちょう切りにし、レンジで柔らかくなるまで加熱
- 1と水をミキサーにかける
- 2を鍋に戻して、ひと煮立ちすれば完成
※大人や幼児が下痢の時は、ごく少量の塩を加えて飲むと、下痢症状が早く改善しますよ
離乳食中期のにんじんおすすめレシピ&調理のポイント
生後7~8ヶ月の離乳食中期になると、赤ちゃんもママの離乳食にも少しずつ慣れてきています。上手にゴックンができるようになり、今度は舌や上あごを使って「つぶす」練習をしていく時期です。中期は基本的に、舌を上あごに押し付けて潰して飲み込みますので、舌でつぶせることができるくらいの固さにしましょう。
にんじんを小さく切って茹でる、もしくは柔らかくゆでたにんじんを粗くつぶし、親指と人差し指で簡単に潰せる硬さになっていればOKです!
にんじんとマカロニのトマトパスタのレシピ
材料:にんじん、マカロニ、トマトピューレ(無塩、無添加)、鶏肉、水
- にんじんをレンジで加熱して柔らかくしてから、2~3mm程度に切る
- マカロニを鍋でゆでて、微塵切りにする
- 鍋に鶏肉と水を入れて鶏肉をゆで、火が通ったら細裂いておく
- 鍋に1、2、3とトマトピューレを入れ、鶏肉のゆで汁で伸ばして加熱する
にんじんとさつまいものスープのレシピ
材料:にんじん10g、さつまいも10g、玉ねぎ10g、ご飯5g、水100ml、粉ミルク小さじ2
- にんじんと玉ねぎ、さつまいもは皮をむいてみじん切りにする
- 鍋に水とご飯、1を入れて、弱火にかける
- 野菜が柔らかくなったら火を止めて粉ミルクを入れる
- 粗熱をとってからミキサーにかけて滑らかにする
すりおろしにんじん白和えのレシピ
材料:にんじん15g、豆腐15g、鶏ササミ肉5g
- にんじんはおろし金ですりおろし、電子レンジで柔らかくなるまで加熱する
- 豆腐は滑らかに擦り潰してレンジで加熱し、軽く水けを切る
- 鶏ササミ肉はレンジで加熱し、粗熱が取れたら細かくきざむ
- 1~3をよく混ぜ合わせる
にんじんとほうれん草の納豆和えのレシピ
材料:にんじん20g、ほうれん草10g、ひきわり納豆15g、だし汁小さじ1
- にんじんは皮をむき、みじん切りにする
- ほうれん草は柔らかい葉先を使い、みじん切りにする
- 耐熱容器にだし汁と1、2を入れて、レンジで柔らかくなるまで加熱する
- ひきわり納豆は熱湯を回しかけてネバネバを取る
- 4に3を入れてよく混ぜる
離乳食後期のにんじんおすすめレシピ&調理のポイント
生後9~11ヶ月の後期になると、上下の歯茎で食べ物を噛む練習をしなければなりません。今までより少し歯ごたえのあるくらいの固さに調理するのがポイントです。また、この頃になると、好き嫌いや遊び食べがひどくなって、離乳食を食べない赤ちゃんが増えてきますので、離乳食は手づかみできるメニューを増やすとよいでしょう。
にんじんコロッケのレシピ
材料:にんじん、食パン、じゃがいも、牛乳
- にんじんとじゃがいもはレンジで加熱して潰して混ぜ、牛乳を加えて固さを調節する
- 1を10円玉くらいの大きさに丸める
- 食パンをおろし金ですりおろしてフライパンに入れ、きつね色になるまで炒める
- 2に3をつけたら完成!
にんじんと豆乳のホットケーキのレシピ
材料:にんじん20g、豆乳大さじ1、ホットケーキミックス大さじ2
- にんじんは皮をむいておろし金ですりおろし、レンジで柔らかくなるまで加熱する
- ボウルにホットケーキミックスと豆乳、1を入れてよく混ぜ合わせる
- フライパンに2の生地を流し入れて焼く
離乳食完了期のにんじんおすすめレシピ&調理のポイント
いよいよ、満1歳になり完了期に突入すると、油断して大人と同じ味付けの物を食べさせるママもいますが、まだ少し早いです。まだまだ薄味にし、前歯を使うメニューもドンドン増やしていきましょう。この時期に噛む力を育てることは、一生の噛む力に影響しますので、積極的に歯ごたえはある程度ついたものを食べさせるようにしましょう。
煮物や味噌汁など、大人と一緒に調理して味付け前に取り分けるといった工夫をすると、ママの負担がグッと減ります。また、取り分けメニューは、子供がママやパパと同じものを食べられるため、喜んで食が進みやすいですよ。にんじん料理の時は、油を使うと栄養素の吸収率がアップしますが、離乳期では油の使い過ぎには充分注意しましょう。少量の油で調理できるフライパンがおすすめです。
にんじんと白身魚のフリッターのレシピ
材料:にんじん、小麦粉、卵、タラ、水、油少々
- にんじんをすりおろし、小麦粉、卵、水を加えて、フリッターの生地を作る
- タラは骨と皮を除き、手づかみできる大きさに切る
- フライパンに油を少量ひき、2に1をつけて焼く
にんじんとマッシュポテトのツナグラタンのレシピ
材料:にんじん10g、ジャガイモ20g、アスパラ10g、ツナ缶15g、ホワイトソース大さじ2、粉チーズ少量
- にんじんは皮をむいてから細切りにして、レンジで柔らかくなるまで加熱する
- ジャガイモは皮をむいてみじん切りにし、レンジで加熱してから潰してマッシュポテトにする
- アスパラは柔らかい穂先を使い、みじん切りにしてレンジで加熱する
- ツナ缶は熱湯を回しかけて粗くほぐす
- 離乳食用のホワイトソースに1~4を入れて、よく混ぜ合わせてアルミカップに入れる
- 粉チーズを少量ふりかけオーブンで5分程度焼く
離乳食のにんじんを食べない!先輩ママの好き嫌い克服アドバイス
何とかして、好き嫌いなく何でも食べてくれる子になってほしいとママなら思うはず。でも、その思いがかえって赤ちゃんが離乳食を食べてくれない原因になってくれることもあるようですよ。
離乳食初期のにんじんは笑顔と楽しい雰囲気を心掛けて食べさせて
赤ちゃんにとって明るくて楽しそうなママの表情をみることが、一番の安心につながります。疲れた、暗い表情のママを見ていると不安になってしまいます。真剣になりすぎず、手抜きできるところは抜いて、楽しく離乳食の時間を赤ちゃんと過ごすことができれば、いろんな食材も食べてくれるようになることでしょう。
A楽しく食べるのが1番
離乳食を始めた初期のころ。「初めて食べ物をあげるんだ」と気合を入れて、時間をかけて丁寧にすりつぶして出来た人参ペースト。「さあ食べてみて」とあげてみても、口すら開けてくれない…。「ああやっぱりわが子は、にんじんを食べない子なんだ」と食べさせてもいないのに勝手に判断していました。それから何とかして食べてもらおうと、ほかの食材と混ぜてみたり、果汁にまぜたりしても食べてはくれませんでした。
ところが、主人が食べさせてあげると、なんと食べてるんですよ!同じものをあげてるのに…。どうやら、私がにんじんをあげているとき、何とか食べさせたいという一心で顔が怖かったらしいです。いつも楽しそうにしてるママが、すごく真剣な顔をしているのをみると、赤ちゃんながら「何か怖いことをされているんだ」と察したんでしょう。そのことを主人に指摘されてから、楽しく食べるということを頭において離乳食の時間を過ごすようにして、「食べてくれるかどうかという不安はあるけれど、それを赤ちゃんには感じ取られないようにしよう」とい思いました。やっぱり赤ちゃんもご飯の時間は楽しいんだと思ってもらえるといいんだと思いますよ。
離乳食中期のにんじんは赤ちゃんの様子を見て大きさや固さを調節して
離乳食中期になると食べ物に形があるため、ママは早く進めようとして、つい大きくしてしまいがちです。そのため、赤ちゃんが飲み込みず、離乳食をたべなくなることも…。慌てて進めず、赤ちゃんの様子を充分に観察してあげましょう。
A早すぎました
生後8ヶ月になり「そろそろ2ヶ月たったから」と、離乳食を中期に進めました。初めはやはり食べやすい人参をあげましたが、一向に食べてくれません。舌で出して嫌がるんです。「やっぱりにんじんは赤ちゃんも嫌いなのかな?」と自分もにんじん嫌いのため思いましたが、もったいないので潰して野菜スープと混ぜてあげてみました。
すると、しっかり食べたんです。「そっか、この子にはまだ少し早かったのかも」と思い、1週間後にもう一度トライ!こんどは少し小さめの微塵切りにしてあげました。すると食べてくれたんです。上手にモグモグしてました。やっぱり焦って早く進めるのはよくありませんね。
離乳食後期のにんじんは色々な調理法で食べさせてみて
離乳食後期になると、色々な食材を食べられるようになります。色々な味も覚えてきて、調味料も少し使えるようになっていますので、にんじん嫌いの子には調理法を工夫すると食べてくれやすくなります。
A混ぜたら食べた!
私はあまり料理が得意ではありません。離乳食は味付けをしなくていいそうで、味を全く付けずただ加熱するのみ。それが悪かったようで、茹でた人参を食べなくなってしまいました。
そこで、ママ友に聞いたおやきを作ることにしました。人参以外にもいろいろな野菜を入れて、ベビーフードのだしも入れて作りました。そして、手づかみできるサイズにカット!すると、大喜びで食べてくれたんです。苦手だなんて言ってないで、ちゃんと料理することにしました。
離乳食完了期のにんじんは絵本で食育するなど心も育てると食べる!
離乳食完了期になると、子供自身も嫌いなものが出てくると嫌な顔をしたり、初めての食べ物に手を伸ばさなかったりと、意思がより強く表れますね。そういった赤ちゃんの意思を利用して、にんじん絵本などで食育をしたり、作るのを手伝ってもらったりすると、食べてくれることが多いので、試してみましょう。
A楽しくディップさせたら食べた
うちの子は後期になってからにんじん嫌いになり、人参が入っていると食べないことが増えてきました。どうにか食べさせたいと思っているときに、人参の食育絵本を発見!試しに読んであげました。
さらに、子育てサイトで「ディップだと食べる」というのを知り、茹でた人参スティクにディップソースを自分でつけさせて、食べさせてみました。するとムシャムシャ食べたのでビックリ!「子供なりに色々思う所があるんだなぁ」と、成長を感じました。
子育て4コマ漫画:離乳食でにんじん子育て4コマ漫画:離乳食でにんじんをあげる時の我が家ルール!
離乳食ではにんじんに限らず永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画のように、ママやパパがしかめっ面で食べさせると食べなくなる面白い法則があります。
離乳食期に「ヤバイ!」と思って意識して笑ったら、1日でほお骨の筋肉が痛くなるママもいるはず。筆者は生後4ヶ月から笑顔を意識したら見事に痛くなりました(笑)
離乳食でよく使う人参は皮まで再利用できる優秀な節約食材でもあり、ママにとっても嬉しい野菜。
離乳食期のお腹の不調は人参スープで小児科に行く前に落ち着くこともあります。親子で無駄な負担を増やさないためにも、離乳食に上手取り入れたいですね。
参考文献