離乳食の納豆は食べない赤ちゃんのお助け食材になる救世主!?
離乳食の納豆は、好き嫌いが激しくて食べない赤ちゃんの命綱になったという声も聞かれるお助け食材。
パサパサして野菜や御粥より食べにくいささみのような肉や魚の離乳食、苦みのある野菜レシピを食べてくれない時でも、納豆に混ぜると食べてくれる赤ちゃんが多いため、育児中はとくに常備しておきたい一品です。
納豆は赤ちゃんに必要な栄養価も高く、加熱に慎重にならなくて良いので離乳食作りでとても扱いやすい食材。こちらでは納豆に含まれる栄養素や離乳食段階ごとの目安量、中期・後期・完了期のおすすめ納豆レシピなどを紹介します。
子育て4コマ漫画:離乳食にオススメの納豆!大人もハマる味!?
納豆は大人にも赤ちゃんにもありがたく、離乳食にも積極的に使いたい食材。手づかみ納豆レシピって少なそうですが、実は定番のおやきにもできますし、人気の納豆入り卵焼き以外にも色々楽しめます。
例えば、永岡さくら(saku)さんの子育て4コマ漫画にもでてくる納豆たこ焼き、納豆トースト、納豆サンド、納豆バーグ、納豆いも餅、納豆蒸しパン、納豆おにぎり、納豆巻き、納豆のはさみ焼など。
納豆のにおいが苦手な赤ちゃんには、大葉(シソの葉)を茹でてすり潰したペーストをごく少量混ぜる食べ方がおすすめ。大葉は離乳食後期から使えますが、納豆特有の臭みを感じにくくなります。
納豆に含まれる赤ちゃんにうれしい6つの栄養素や酵素
納豆は植物性のたんぱく質を豊富に含む日本人にお馴染みの発酵食品。肉や魚などの動物性たんぱく質とは同じたんぱく質でも機能が異なるため、バランスよく摂ることが大切です。
納豆にはたんぱく質の他にも、赤ちゃんに嬉しい栄養素や酵素が含まれています。
1ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼとは、納豆に含まれるたんぱく質分解酵素です。ナットウキナーゼは納豆のネバネバ成分に含まれています。
ナットウキナーゼには血液をサラサラにする働きがあるため、赤ちゃんの頃から納豆好きに育ててあげると、成人して親元を離れてからも栄養面で安心できる要因の一つとなるでしょう。
2レシチン
レシチンは、脳の情報伝達などに必要な神経伝達物質アセチルコリンを作り出す材料。脳にいい食べ物に納豆が挙げられることが多いのは、納豆にレシチンが含まれているからです。
6歳で大学入学、若干10歳で卒業という偉業を成したIQ200越えのある日系人アメリカ人の男の子がいますが、彼の家の食事は日本食。
インタビューで頭が良くなった秘訣を聞かれ、彼は「納豆を毎日食べているからだ」と答えました。
3イソフラボン
納豆の元といえば、大豆。大豆といえばイソフラボンです。イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」ととても良く似た構造をしています。
赤ちゃんはまだ体が未成熟ですが、嗜好を作り上げている離乳食期に納豆好きな子に育ててあげれば将来役立つはずです。
4マグネシウム
マグネシウムはミネラルの一種で、赤ちゃんの歯や骨を作り出すのに必要な栄養素です。
セロトニンという排泄や体温調節、精神安定にかかわっている物質を合成する時にも、マグネシウムが使われます。
生後6ヶ月を過ぎてから夜泣きが始まる赤ちゃんもいますが、母乳からだけでは十分なマグネシウムを取れない子もいるため、離乳食では注意が必要です。
5ビタミンK
ビタミンKには骨を丈夫に保ち、出血を止まりやすくする働きがあります。
赤ちゃんは出血を止める凝固因子が少ないため、新生児期や1ヶ月健診でビタミンk2シロップを与えます。
生後6ヶ月を過ぎてからは母乳やミルクからではなく、食事からビタミンKをとれるように少しずつ意識しましょう。
6食物繊維
納豆には便を押し出す不溶性食物繊維と、便を柔らかくする水溶性食物繊維がバランスよく含まれているので、便通に問題を抱えている赤ちゃんにおすすめです。
離乳食に納豆はいつから?初期からOKだけど中期からがおすすめ
納豆は離乳食初期から与えられますが、粘り気があるのにすり潰さなければならず調理が大変なので、離乳食中期からがおすすめです。
離乳食中期は赤ちゃんの食べやすさや安全面を考慮し、湯通しをして加熱殺菌するとよいでしょう。
離乳食が順調に進んできたら、納豆をそのまま食べさせても大丈夫です。
離乳食中期・後期・完了期の納豆の量
離乳食1回に必要なたんぱく質を納豆だけで補うと栄養のバランスが悪くなるので、できるだけ他のたんぱく質と一緒に調理するなどして調節しましょう。
離乳食中期の1回の納豆の目安量は12g~15g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、たんぱく質の一日の食事摂取基準の目安量は、離乳食中期にあたる生後6~8ヶ月で15gです。
離乳食中期は2回食なので、1回の離乳食で7.5gのたんぱく質をとる必要がありますが、目安量となるひきわり納豆12g~15gのたんぱく質量は2~2.5g。野菜にも種類によってたんぱく質は含まれていますが、たんぱく質を納豆に偏らず、肉や魚、卵も与えましょう。
離乳食後期の1回の納豆の目安量は15g~18g
離乳食後期にあたる生後9~11ヶ月の場合、たんぱく質の一日の食事摂取基準の目安量は25gです。
離乳食後期は3回食なので、1回の量は約8g。ひきわり納豆15g~18gのたんぱく質量は2.5~3gなので、中期同様に他の食材からもたんぱく質を摂りましょう。
離乳食完了期の1回の納豆の目安量は18g~21g
離乳食完了期にあたる1~1歳半の場合、たんぱく質の一日の食事摂取基準の目安量は15g、推奨量は20gです。
つまり1回の量は5~7g。ひきわり納豆18g~21gのたんぱく質量は3~3.5gなので、引き続き様々な他の食材からもたんぱく質をとらせてあげましょう。
離乳食期は納豆の食べさせ過ぎに注意!あっという間にオーバーする
離乳食の納豆が大好きな赤ちゃんは多く、喜んで食べるならとママやパパはつい多くあげがち。ところが赤ちゃんが必要以上にタンパク質を摂ることで、おなかに負担がかかります。
納豆が身体に良いからといって食べさせ過ぎるのはよくありません。赤ちゃんの欲求に合わせているとあっという間に一日の摂取量をオーバーしてしまいますので、気をつけましょう。
離乳食の納豆は冷凍すると長期保存できる!
意外かもしれませんが納豆は冷凍保存ができる食材です。納豆菌は冷凍しても死ぬことがないので、栄養価が損なわれることはありません。しかも、冷凍すると調理しやすくなるというおまけつき。
納豆の冷凍方法はとっても簡単!パックをそのまま冷凍庫に入れるか、1食分に小分けしてラップに包み、冷凍庫用保存袋や保存容器に入れて冷凍するだけです。
納豆の解凍は冷蔵庫内での自然解凍がおすすめ。レンジで解凍すると臭いがきつくなりますし、ナットウキナーゼは熱に弱いです。離乳食に使う前の日の晩に納豆を冷蔵庫に移しましょう。
離乳食中期の納豆おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食中期は豆腐くらいの固さの固形物を細かく刻んで与えますが、納豆の場合はひきわり納豆をつかい、お粥などに混ぜて飲み込みやすくして与えましょう。
慣れるまでは調理の前に熱湯をかけて湯通ししてください。慣れてきたら湯通しせずに与えましょう。離乳食中期に入って間もない頃に初めて納豆を与える時は、ペーストにすると安心です。
納豆裏ごしおかゆのレシピ
材料:ひきわり納豆5〜10g、離乳食の進み具合に合わせたお粥50g
- 納豆を電子レンジ600Wで30秒ほど加熱する
- 納豆をすり鉢などですりつぶし、ペースト状にする
- 離乳食中期のおかゆ(7倍粥又は8倍粥)を作り、上に乗せてたらできあがり
サツマイモマッシュのすり潰し納豆のせのレシピ
材料:サツマイモ20g、ひきわり納豆小さじ2
- サツマイモは皮をむいて5mm程度のサイコロ状に切り、水にさらしてから電子レンジで加熱し、柔らかくなったら熱いうちに潰して滑らかにする
- ひきわり納豆を茶こしに入れ、熱湯を回しかけて粘りをとったらすり鉢ですり潰す
- 1を器に盛って2を乗せ、混ぜ合わせて食べさせましょう
納豆とお麩のだし煮のレシピ
材料:ひきわり納豆小さじ2、ホウレン草10g、小さめの麩4~5個、出汁20ml
- ひきわり納豆を茶こしに入れ、熱湯を回しかけて粘りをとる
- ホウレン草は葉先の柔らかいところを使い、みじん切りにする
- 麩は水につけて柔らかくし、軽く水気を絞って刻む
- 鍋に出汁と1~3を入れて弱火にかけ、一煮立ちさせて完成です。
納豆のみぞれ煮のレシピ
材料:ひきわり納豆小さじ2、大根15g、出汁小さじ2杯、青のり少々
- ひきわり納豆を茶こしに入れ、熱湯を回しかけて粘りをとる
- 大根をすりおろす
- 耐熱容器に出汁と1、2を入れ、電子レンジで1~2分加熱する
- 器に盛ったら青のり少々をかける
離乳食後期の納豆おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食後期も引き続きひきわり納豆を使いましょう。後期は鉄分やカルシウムなどが多く含まれる、ほうれん草や小松菜、しらすやブロッコリー、乳製品などをプラスして、1食で効果的に栄養を摂取できる調理がおすすめ。
遊び食べも盛んになる時期なので、手づかみできる納豆レシピにすると、喜んでパクパク食べてくれます。
納豆とほうれん草のカラフル卵焼きのレシピ
材料(4回分):卵1個、ひきわり納豆小さじ1、茹でほうれん草ひとつまみ、油少々
- 鍋にお湯を沸かして、ほうれん草を茹で、冷めたら細かくみじん切りにする
- 1のほうれん草と納豆、卵をボールに入れて混ぜる
- 卵焼き器にキッチンペーパーなどでごく薄く油をひき、火をかける
- 十分に熱されたら2の材料を半量ずつ流し込み、卵焼きを作る
- 焼きあがって冷めてから食べやすい大きさに切ったらできあがり
納豆と人参のもみじ和えのレシピ
材料:すりおろした人参20g、ひきわり納豆大さじ1
- 耐熱容器にすりおろし人参を入れ、柔らかくなるまで電子レンジで1~2分程度加熱する
- 1とひきわり納豆を混ぜ合わせる
キャベツと玉ねぎのつぶし納豆和えのレシピ
材料:ひきわり納豆大さじ1、キャベツ10g、玉ねぎ5g
- キャベツと玉ねぎを5~8mmのみじん切りにし、柔らかくなるまで電子レンジで1~2分程度加熱する
- 1と2をよく混ぜる
納豆ミートソースうどんのレシピ
材料:鶏ひき肉小さじ1、ひきわり納豆小さじ1、すりおろし人参小さじ1、トマト40g、出汁20㏄、茹でうどん50g
- うどんは熱湯で柔らかく茹で、2~3cm程度に切って器に盛る
- トマトは湯剥きして皮と種をとり、すり潰してペーストにする
- 鶏ひき肉は粗くほぐして熱湯をかけて、軽く火を通す
- 鍋に出汁すりおろし人参、と2~3を入れて弱火にかけ、煮汁が減ってとろりとするまで煮る
- 4を1にかけたら完成です
離乳食完了期の納豆おすすめレシピ&調理のポイント
離乳食完了期になっても赤ちゃんによっては食べづらいため、ひきわり納豆を使いましょう。
納豆は栄養を考えると加熱しない方がよいのですが、後期は手づかみしたい時期なので手がべたつきにくいおやきにすると、赤ちゃんの食も進みやすいです。
納豆のポテチーズおやきのレシピ
材料:じゃがいも小1個、ひきわり納豆大さじ1、チーズ10g、片栗粉小さじ1、塩少々、バター少々
- じゃがいもを加熱して柔らかくする(電子レンジでチンか茹でる)
- 納豆とチーズは小さく刻む
- バター以外の材料を全てボールに入れ、混ぜ合わせる
- フライパンにバターを溶かし、そこに3の材料を一口サイズに成型して焼く
- 両面を焼いて、最後に蒸し焼きにしたら完成
納豆のポパイ焼きおにぎりのレシピ
材料:ひきわり納豆大さじ1、ホウレン草10g、軟飯80g、小麦粉1/2杯、しょう油少々
- ホウレン草は葉先の柔らかい部分を電子レンジで加熱し、水にさらしてアクをとってからみじん切りにする
- ひきわり納豆を茶こしに入れ、熱湯を回しかけてヌメリをとる
- ボウルに軟飯と1、2と小麦粉としょう油を入れてよく混ぜあわせ、2つに分けて小判型に成型する
- フライパンで3の両面を焼き目がつく程度に焼く
赤ちゃんが納豆を食べない!先輩ママのアドバイス
納豆好きの赤ちゃんは割と多くいますが、それでもやはり納豆が苦手な子もいます。大人と同じで、あの粘り気やにおいは苦手になりやすいですものね。そこで納豆嫌いを乗り越えた先輩ママからのアドバイスを集めてみました!どうやらコツは納豆をメインにしないことのようですよ。
【離乳食中期】納豆嫌いへのアドバイス
中期の納豆嫌いの赤ちゃんには、お粥に混ぜると食べてくれる子が多いのですが、納豆には苦みがあるため、赤ちゃんが嫌がる場合もあります。納豆は食物性タンパク質ですので、動物性のかつおだしを加えてあげると、旨みがプラスされて美味しく食べてくれることがありますよ。
また、中期に納豆嫌いになり易いのが、ママやパパが納豆嫌いのケース。食卓で大好きなママやパパが嫌~な顔をしていたら、赤ちゃんは空気を読んで納豆嫌いになってしまいやすいのです。離乳食を食べさせるときは楽しい食卓作りを心掛け、笑顔を見せてあげましょうね。
ペーストにすると…
納豆好きになってほしくて、離乳食も結構順調に進んできてるしと思って初納豆挑戦。湯通しして小さく小さく刻んであげてみました。…が、あえなく撃沈。ベローンと口から出されてしまったー。
そこで、今度はペーストに挑戦。だしの効いたおかゆに混ぜて食べさせてみたところ、うん、これは反応がいいぞ。大丈夫みたい。まだつぶつぶは早かったかな?当分これでやってみよう。
【離乳食後期】納豆嫌いへのアドバイス
納豆と共に、赤ちゃんに人気のかぼちゃやさつまいもなどに混ぜることで、すんなり食べてくれる場合もあります。手づかみ料理に出来る点も嬉しいですね。他にも、ホットケーキミックスに混ぜたり、お好み焼きに混ぜたりなど、無理なく少しずつ納豆の味や風味に慣れさせてあげることで、ある日「あれ?美味しい」と気づいてくれることもありますよ。
ただし、無理強いすると本当に嫌いになってしまうことがありますので、赤ちゃんの様子をみて進めていきましょう。
かぼちゃの甘みで美味しくなるみたい
小さく刻んだ納豆をおダシで炊いて、茹でてマッシュしたかぼちゃと混ぜて食べさせるとたくさん食べてくれます。かぼちゃの甘さと納豆の味がマッチするんでしょうか?納豆が苦手だった息子がよく食べてくれるので、頻繁に登場するレシピになりました。
納豆は栄養も豊富だしお手軽でお財布にも優しいしで良いことずくめなので、積極的に取り入れたいなと思います。
【離乳食完了期】納豆嫌いへのアドバイス
完了期の赤ちゃんが納豆嫌いの場合、なかなか改善するのが難しくなってきていますよね。1歳を過ぎると、カレーなどの風味が強いものも、徐々に食べられるようになってきますので、納豆のマイナス面を引き立たせない食材に入れてみるのもよいでしょう。もちろん、卵焼きやおやきなどにするのもおすすめです。
カレーにまぜると美味しい
うちの子は納豆のあのツンとした味が苦手らしく、普段はあまり食べてくれません。でも、ついこの間、「市販の子ども用カレーに入れてみたら食べた」というのをネットで見て、試してみました。
その結果、うちの子でも成功しました!大人でも、納豆をカレーに入れる人がいますので、納豆とカレーは相性がいいのかもしれませんね。普通にパクパク食べてくれました。粘り気が気になるので、やっぱり納豆を何かにまぜる時にも下処理をして粘り気をなくすのはポイントだと思います。
栄養価の高い納豆で離乳食を豊かに!
離乳食では、赤ちゃんの成長に合わせて少しずつ食べられる食材を増やしていきますので、どうしても単調になりがちです。しかも、ママも毎日育児に家事に忙しいので、できるだけ簡単・お手軽に美味しい離乳食を作ってあげられたら嬉しいですよね。
納豆は栄養価も高く、豆類なので赤ちゃんにとっても噛みやすい食材です。臭みや粘り気はありますが、意外といろんな食品との相性も良く、美味しそうな離乳食レシピもネットでたくさんヒットします。さすが、日本が誇る発酵食品、納豆ですね。そろそろおかゆに飽きてきた赤ちゃんや中期に入った赤ちゃんのママは、ぜひ栄養満点の納豆デビューをさせてあげましょう!